転職コラム

なぜ新卒の3割が3年以内に退職?34.9%の離職率を考察

2024年10月28日

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離職
しゅう
しゅう

こんにちは。転職経験 4回のしゅうです。

新卒の3割が3年以内に退職しています。

その理由や背景を理解しないままでは、次のキャリアで同じように悩む可能性も高いです。

この記事では、新卒離職率34.9%の実態と、新卒者が3年以内に離職する主な理由について考察します。

また、高離職率の業界や、20代の転職時に意識すべきポイントも紹介します。

退職を考え始めた方やキャリアに悩む方に、未来を切り開くヒントをお届けします

ぜひ最後まで読み進めてください。

新卒者の離職率34.9%とは?3年以内に辞める理由

新卒者の3年以内離職率は、近年上昇し34.9%に達しています。

これは、大学卒の新卒者が3年以内に約3人に1人の割合で会社を辞めているということを示しています。

さらに、高校卒の3年以内離職率も38.4%と高い数字を示しており、新卒者にとって初めての会社が長く続かない傾向が強まっているのが現状です。

この背景には、労働市場や企業文化の変化、そして個人のキャリアに対する考え方が影響しています。

新規学卒就職者の離職率

出典)厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況

私自身も33歳で初めて転職した経験がありますが、新卒の頃は「定年まで同じ会社で働き続ける」という考えを持っていました。

しかし、時代の変化や個人・企業の価値観の多様化により、終身雇用や年功序列といった日本特有の雇用形態が崩壊しつつあると実感しました。

特にバブル経済の崩壊以降、「一つの企業にずっと勤め上げる」ことが当たり前ではなくなってきたのです。

近年では、副業や複業という考え方が普及し、個々人が複数の職を持ちながら、自分の強みやスキルを磨いていくという働き方も珍しくありません。

これにより、個人が一社で長期にわたり働くインセンティブが減少し、離職率が上がっているのです

これに加えて、企業側も退職金制度を設けない、または廃止するケースが増え、個人が長く在籍するメリットを感じにくいのも理由の一つでしょう。

しゅう
しゅう

3年以内に新卒者の3割が離職。その理由を理解しておきましょう。

新卒の3年以内離職率が高い業界とその特徴

飲食業

離職率の高さは業界によっても異なります。

次の図は「新規大卒就職者の産業別就職後3年以内の離職率」の一部で、厚生労働省が2024年10月に公表した「新規学卒就職者の離職状況」からの抜粋となります。

前年と比べてどの産業も離職率が高まっています。

産業別就職後3年以内の離職率

出典)厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」を部分利用

新卒の3年以内の離職率が特に高い業界と、その特徴を以下に挙げます。

  • 宿泊業・飲食サービス業(56.6%)

労働時間の不規則さや夜勤の多さ、長時間労働が一般的なこの業界では、若い社員が生活リズムを維持できずに離職に至るケースが多いです。

また、人手不足のため多くの責任を早くから負わされることもストレス要因になります。

  • 生活関連サービス業・娯楽業(53.7%)

この業界も不規則な勤務体系が常であり、休日が少なく、特に土日祝日に出勤することが多いため、家族や友人との時間が取れないことを理由に辞める若者が多くいます。

  • 教育・学習支援業(46.6%)

教育業界は非常にやりがいがある一方で、多忙さ責任の重さから若い社員には重圧となりやすい業界です。

教員や学習サポートを行うスタッフは、生徒や保護者からの期待に応えようとしながらも、業務負荷の大きさに対応しきれず離職に至るケースが目立ちます。

  • 小売業(41.9%)

小売業も長時間労働やシフト制が一般的で、特に年末年始やゴールデンウィークといった繁忙期には多くの勤務が求められるため、労働負荷が大きくなりやすいです。

人手不足で業務が増えると、疲弊して離職する社員が多い業界です。

  • 医療・福祉(41.5%)

医療や介護業界では、慢性的な人手不足に加え、重労働高い精神的負担がかかるため、若い社員が続けられないケースが多いです。

患者さんに接する責任も重いため、やりがいと同時に過労や心労も引き起こしやすい特徴があります。

これらの業界では、人手不足が常態化しており、残業時間の長さや休日の少なさなどが従業員の負担となっているケースが多いです。

飲食サービス業では深夜や土日も稼働するため、シフト勤務であってもプライベートの予定が立てづらく、ライフワークバランスが取りにくい職場環境が多く見受けられます。

また、給与水準が他の業界と比べて低いことも、新卒者の離職率を高める要因となっています。

このような業界での離職率が高い理由は、労働条件の厳しさや労働時間の不規則さ、給与水準の低さなどが主な原因です。

さらに、働き始めたばかりの新卒者が業界特有の環境に適応するのが難しいと感じるケースもあり、その結果、転職や退職を考えることになります。

しゅう
しゅう

業界ごとの離職率を知り、自分に合う働き方について考えてみましょう。

新卒離職に多い理由トップ5と離職を防ぐ対策

ランキング

離職理由トップ5

新卒離職に多い理由には、以下のトップ5が挙げられます。

1. 労働環境・条件がよくない(25.0%)
新卒者が最も離職を考える要因は、長時間労働や休日の少なさです。

働き方改革が進められているものの、現場ではまだ過剰労働が続くことが多いため、職場環境への不満が原因となっています。

2.給与水準に満足できない(18.4%)
生活費がかさむ都市部では、特に給与が生活に見合っていないと感じる新卒者が多いです。

年功序列や終身雇用が崩れた今、成果に応じた給与が期待されますが、まだ旧来の給与体系が多い企業も見られます。

3.職場の人間関係がよくない(14.5%)
会社における人間関係は働き続ける上で大切です。

特に新卒者は職場に適応していく時期にあるため、人間関係が合わないと感じた場合、職場を離れる選択をしやすい傾向があります。

4.上司と合わない(14.5%)
上司からの過度な指導
や、自分の意見を受け入れてもらえないと感じる場面があると、退職を考えがちです。

対話や理解の重要性が叫ばれているものの、現場ではまだ改善が難しい状況です。

5.希望する働き方ができない(14.5%)
ワークライフバランスやリモートワークなど、柔軟な働き方が重視されるようになっています。

しかし、旧態依然とした勤務形態の企業では、その希望が叶えられず離職するケースが増えています。

退職理由

出典)リクルートマネジメントソリューションズ「新人・若手の早期離職に関する実態調査

これらの理由からも分かる通り、労働環境や人間関係、給与への不満が主要な離職要因であることがわかります。

離職を防ぐ対策

離職を防ぐためには、企業側の環境改善新卒者自身の意識改革が不可欠です。

両者が協力し合うことで、新卒者が長く働き続けられる職場環境が整い、個々のキャリア形成にも寄与します。

まず、企業側では以下のような具体的な対策が効果的です。

  • サポート体制の強化

新卒社員が業務に早くなじめるよう、メンター制度OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)の整備が重要です。

具体的には、定期的な面談を通じて相談できる環境を整えたり、キャリア支援を行ったりすることで、不安や悩みの軽減が期待できます。

  • 柔軟な働き方の導入

新卒者の価値観に応じた柔軟な働き方も離職率低減に貢献します。

例えば、リモートワークフレックスタイム制を導入することで、業務に対する主体性が生まれ、ワークライフバランスが整いやすくなります。

  • フィードバックの仕組みづくり

定期的なフィードバック評価の仕組みを整備することで、若手社員の成長を支援し、モチベーションを高めることができます。

また、適切なフィードバックは、自身の成長を実感しやすく、キャリアアップへの意識も向上します。

一方で、新卒者自身の意識改革も必要です。

自分にとっての「働く意味」や「理想の職場像」を明確にするために、次のような対策を取り入れると良いでしょう。

  • 徹底した情報収集

入社前に企業の雰囲気や働き方、社風を把握しておくことが重要です。

社員の口コミや会社説明会、インターンシップを通じて、自分に合った環境かどうかを確認することが大切です。

実際の働き方や社風を知ることで、入社後のギャップも減少します。

  • 自己理解と価値観の再確認

新卒者にとって、仕事に何を求めるかを考え、自己理解を深めることは非常に重要です。

自分が何を大切にし、何を目指して働きたいのかを明確にすることで、ミスマッチを防ぎ、納得感のあるキャリアを築くための基盤が整います。

  • キャリア目標の明確化と柔軟な視点の習得

最初の職場が必ずしも自分に合ったものでない場合もあります。

その場合、転職ではなく、会社内で部署異動の希望を出すといったことも考えられます。

様々な部署を経験しスキルを積み、次のステップにつなげるといった柔軟な視点を持つことも大切です。

こうした対策を企業と個人双方が行うことで、新卒者の離職率は低減し、長期的に充実したキャリア形成が実現しやすくなります。

しゅう
しゅう

離職理由と防ぐポイントを押さえて、キャリアを安定させましょう。

離職を考える20代が転職前に意識すべきポイント

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20代で離職を考える際に意識すべきポイントは、自分が何を求めて転職するのかを明確にすることです。

私自身、初めて転職した際、「一生安泰なキャリア」を求めるのではなく、自分のスキルやキャリアの成長を重視することが重要であると感じました。

20代の若手社員が転職を考える際には、以下の点を意識することが役立ちます。

  • キャリア設計をしっかりと行う

転職を通じてどのようなキャリアを築きたいか、自己分析を進めましょう。

短期的な条件だけでなく、長期的な成長やスキルアップも考慮することが重要です。

  • 職場の労働環境や給与条件を確認する

転職先の労働環境が自分に合うかどうか、給与が職務内容に見合っているかも、転職先を選ぶ上での判断材料です。

  • 自分の価値観やライフスタイルに合った職場を選ぶ

転職後の仕事が自分の価値観やライフスタイルに合うかどうかも大切です。

家庭を持ちたい、プライベートも大事にしたいといった希望があれば、それに合わせた職場環境を選ぶのが理想です。


また、20代での転職は、社会的な経験が少ないため、業界ごとの働き方や企業文化を理解することが困難なケースもあります。

転職を決める前に、企業の口コミや転職エージェントなどを活用し、十分な情報収集を心がけましょう。

しゅう
しゅう

転職を決める前に、キャリア設計をしっかり考えましょう。

まとめ|新卒3年以内の離職率から見る将来のキャリア設計

転職

新卒者の3年以内の離職率が34.9%に達している現状は、個々のキャリアの在り方が大きく変わる時代の到来を象徴しています。

これまでの「一社での長期勤務が当たり前」という価値観が薄れ、個人が自分のキャリアをどのように設計するかが重視されるようになっています。

この変化は、新卒者が企業を主体的に選び、自分に合ったキャリアパスを築く意識を高めることが重要になっていることを示唆しています。

自分の価値観やスキル、将来のビジョンに基づいたキャリア形成を意識することで、自分の可能性をより広げられるでしょう。

私自身も、一社での長期勤務が常識だった時代に働き始め、「転職は悪いこと」という固定観念を持っていました。

しかし、転職がキャリアアップの手段として広く認識されるようになった今では、自分に合った環境や仕事を求め、主体的にキャリアを築くことが、将来の安定や自己満足につながると考えています。

自分の価値観や目標に基づいたキャリア形成は、時代が進むにつれてますます重要になるでしょう。

一方で、企業側にとっても、若手社員が求める柔軟で働きやすい環境成長機会を提供し、社員が自分の価値を高められるような支援を行うことが不可欠です。

近年、リモートワークやフレックスタイム制度、さらには職種によってはジョブ型雇用といった多様な働き方の導入が進められています。

こうした取り組みは、社員が自らのキャリアを通じて成長し、長期的に企業に貢献していける環境づくりの一環です。

企業と社員が協力し、互いに成長できる環境が整えば、離職率の改善も見込めるでしょう。

これからの時代、若手社員が企業に求めるものが多様化する中で、企業側も成長機会を提供し、若者がキャリアを柔軟に築ける職場づくりを心がけることが、今後の持続可能な人材育成の一助となるのではないでしょうか。

しゅう
しゅう

将来のキャリアを意識し、転職も前向きに考えられるようにしましょう。

キャリアや転職について考えている人におすすめの本

参考文献

今後のキャリアを考える上でのおすすめの本を3冊ご紹介します。

ぜひチェックしてみてください。

世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方

本
  • 著者:八木仁平
  • 出版社:KADOKAWA
  • 30年後もメシが食えて、心から納得のいく働き方が見つかる

自己理解プログラムを提供されている八木仁平さんの本です。

「何かやりたいけれど、何をやればいいか分からない」という方に、「やりたいことの見つけ方」を伝える本です。

この本に書かれている3つの視点で考えることで、「自分探し」から脱出できます。

転職の思考法

本
  • 著者:北野唯我
  • 出版社:ダイヤモンド社
  • このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む本

誰にも聞けない転職のモヤモヤが誰でも一つや二つはありますよね。

本書ではそのモヤモヤをストーリー形式で解決していきます。

転職に本当に必要なのは、単なるうわべの転職情報ではなく、思考の軸です。

LIFE SHIFT (ライフ・シフト)

本
  • 著者:リンダ・グラットン / アンドリュー・スコット
  • 出版社:東洋経済新報社
  • お金偏重の人生を、根底から変える。成長至上の次に来る、新しい生き方。

多くの人が100歳まで生きるようになる「人生100年時代」を見据え、誰もが人生戦略を考え直さなければばなりません。

100歳まで生きるとすると、60歳で定年を迎えてから残りの人生はまだ40年あります。

そうなると、多くの人は定年後に今の仕事を続けるなり、転職するなりしてさらに働かなくてはなりません。

この定年後の新しいステージまで考えて人生の道筋を描くために本書が参考になります。

なお、私が初めて転職した際の記事をこちらにまとめています。

よかったら参考にしてください。

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