こんにちは。転職経験6回のしゅうです。
「Uターン転職って、本当にうまくいくのだろうか?」
そんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
今までのキャリアを捨て、地元へ戻る決断には大きな勇気が必要です。
私自身も、Uターン転職で想像以上の苦労を経験しました。
この記事では、私が実際に経験した転職のプロセスを通じて、大手IT企業から地元のIT企業へ転職する際に直面した悩みや課題、そして乗り越えた方法をお伝えします。
Uターン転職を考えているあなたが、この記事を読むことで新しい道が開けるはずです。
ぜひ最後までご覧ください!
目次
転職前のキャリア
当時私は33歳でメーカー系大手IT企業の地方拠点に勤務していました。
元々はメーカーに新卒で入社し、情報システム部門に配属されたのがキャリアのスタートでした。
メーカーには地方に大きな工場がいくつかあり、私はその工場の1つで製造部門のシステムサポートや、新規システム導入を行っていました。
当時、大手企業では、情報システム部門を分社化する動きが広がっており、私が勤めていたメーカーも入社2年目の時に分社化が行われました。
メーカーに入社して安泰と思っていたのも束の間、荒波の中に放り出された感じでした。
私は出向という形で、新しくできたIT企業で働くことになりました。
なお、この企業は独立当初、300人程度でしたが、グループ会社との合併などで数年の後には2,000人を超える規模になりました。
新しくできた企業では、親会社となったメーカーのシステムサポートとともに、外貨を稼ぐために親会社以外の企業に対しても情報システムの提案・開発・導入をする必要に迫られました。
こうして、私は工場内での勤務は変わらなかったものの、工場のシステムサポート部門から、新規商品開発部門へ異動となりました。
新規商品開発部門では、新システムの企画から設計、開発管理、お客様へのシステム導入、導入後のサポートまでを担当しました。
商品開発部門は企業の中でも花形であり、仕事はハードであったものの、やりがいがあり、上司やメンバーにも恵まれ充実した日々を送っていました。
そして気がつけば、入社10年を超え、30代になっていました。
配属された部門が分社化されるのは想定外でした。
転職を考え始めたきっかけ
私が転職を意識したきっかけは、転勤要請を受けたことでした。
私は本社から遠く離れた拠点で働いていましたが、本社の開発プロジェクトが炎上した際、要請を受けて半年ほど応援に行きました。
私が元々働いていた拠点は、親会社であるメーカーからの出向者が多く、メーカーの企業風土が色濃く残っていました。
それに対して本社の開発部門は、IT企業として独立してから入社した人、つまりプロパー社員が多く、応援に行っていた半年で企業風土の違いを強く感じました。
どちらが良い悪いということではありませんが、私は地方拠点の方が肌に合っていると感じました。
それからしばらくして、本社への転勤要請がありました。
全国転勤のある企業で転勤を断るというのはあまりないと思いますが、私はどうも本社は合わないし、今いるメンバーと一緒に働きたいという気持ちが強かったので、その要請を断りました。
ちなみに私がいた地方拠点は、本社や東京支社への人材供給拠点の様相を呈しており、同僚もどんどん転勤していました。
それから半年が経った頃、私にもう一度転勤要請がありました。
ちょうど結婚したタイミングとも重なったため、今は動ける時期ではないと転勤要請を断りましたが、もうこれ以上は断れないなと思い、それならば、いっそのこと転職するか、と考えるようになりました。
転勤要請を2回断ってしまい・・・
転職活動中に感じた壁と突破口
今では考えられませんが、当時は、35歳転職限界説がまことしやかに言われていました。
私も33歳になっていたので、年齢的な焦りを感じていました。
私は転職を考えるにあたり、2つの方向性を考えていました。
1つは、同じ規模のIT企業への転職です。
もう1つは、私の故郷にあるIT企業へのUターン転職です。
同じ規模のIT企業への転職を考えた理由は、仕事内容、給与、福利厚生も今とあまり変わらないと考えたからです。
故郷にあるIT企業へのUターン転職を考えた理由は、ゴールデンウィークや正月に帰省する度に、故郷の活気が失われている感じがして、故郷に少しでも貢献できないかと考えたからです。
また、私の故郷は田舎なので、古くから長男が家を継ぐ風習があり、父も私が戻ってくることを強く期待していたというのもあります。
まず、同じ規模のIT企業への転職探しですが、転職サイトへの登録から始めました。
当時から知名度の高かった「リクナビNEXT」に登録しました。
さすがリクナビ、大量の求人があり、条件に合う企業も数社ありました。
しかし、一番のネックとなったのは、私が住んでいる場所で、本州から遠く離れていました。
今ならオンラインで面接することも可能ですが、当時は対面のみだったので、都市部で採用試験を受けようと思ったら、飛行機で行ったり、宿泊したりと大がかりとなります。
また、絶対ここに入りたい!、という企業もなかったので、結局あきらめてしまいました。
一方、故郷のIT企業へのUターン転職は、Uターンを支援してくれる団体があったので、その団体に登録し求人情報を送ってもらいました。
ただし、地元のIT企業となると、グッと求人数は減ります。
さらに、大手IT企業とは給与でも大きな開きがあります。
年収で100万円以上ダウンすることも覚悟しなければなりません。
また、希望する職種の壁もありました。
IT技術者の職種は、プログラマー、システムエンジニア、ネットワークエンジニア、カスタマーエンジニア、プロジェクトマネジャなど多数あります。
このうち、求人が一番多いのはプログラマーで、私が希望するプロジェクトマネジャの求人はありませんでした。
そこで私は、地元IT企業で規模の大きいところから企業のWebサイトを直接調べることにしました。
すると、ある企業が新規事業を始めたばかりで、その事業のリーダー人材を募集していることが分かりました。
やっと転職活動に光が見えてきました。
私はこの企業に絞って情報収集を開始しました。
その企業についてさらにWebで調べたところ、社長が挑戦的で頼もしく、また業績も伸びていることが分かりました。
口コミサイトなどもあればよかったですが、当時は「2ちゃんねる」くらいしかなく、地元IT企業の口コミ情報はありませんでした。
今なら転職口コミサイトを調べるのも必須ですね。
内定までの道のり
地元IT企業のWebサイトにはキャリア採用の応募フォームがありましたので、そこから応募しました。
応募フォームの入力欄には、志望動機、職務内容、保有資格、希望転職時期などの項目がありました。
私はIT系の国家資格(プロジェクトマネジャ)を持っていたので、この資格は強みになると思いました。
応募するとすぐに先方の部長からメールで連絡がありました。そして私が帰省するタイミングで採用試験をしてもらうことになりました。
面接は部長と1対1でありました。
私が大手IT企業で働いていたため、部長から「地元企業のため、年収が大きく下がるが、緩和する方法を考えるから入社してほしい。」と話がありました。
私も給与がネックになるんじゃないかと思っていましたが、この言葉で少し安心しました。
その後、筆記試験を受けて、後日、結果を連絡してもらうことになりました。
採用試験を受けてから、結果が届くまではドキドキですね。
地元へのUターン転職で、求人も少ないから、「ここがダメだったらどうしよう」などと考えていました。
そして5月のある日、内定の連絡がありました!
また、先方からすぐに働いてほしいと要望がありました。
今度は、今働いている企業と退職日の調整、転職する企業との入社日の調整です。
私の場合、担当してるプロジェクトの完了が7月末の予定だったので、7月末に退職し、転職先に8月に入社するという超過密スケジュールになってしまいました。
この間に新居探し、転出、引っ越し、転入をしないといけないので、今思えば、よくやりきったなと思います。
有給消化はほとんどできませんでした。
引っ越しを伴う転職は、退職日と入社日の間隔を長めに取った方がよいです。
転職後に待ち受けていた状況
前職との年収差を埋めるために、地元IT企業が用意してくれたのが管理職のポストでした。
役職手当が付くので、幾分高くなりますが、それでも大幅な年収ダウンとなりました。
入社当日、部長から「システム企画部門の責任者として働いてもらう」と言われました。
転職していきなり責任者になるとは思っていなかったので、かなりの驚きでした。
ただし責任者とはいえ、人員が豊富にいるわけではなかったので、プレイヤーとしての役割も求められました。
システム企画部門には当時33歳の私よりも年上の人も何人かいたため、新任責任者のお手並み拝見といった視線を感じました。
この部署は、新サービスを企画したり、大型案件の提案や受注後のプロジェクト管理を主に行う部署でした。
私が入社した際、ちょうど大型システム開発案件の提案をしており、全体の取りまとめを私が行うことになりました。
このような大型案件はいつも失注していたそうですが、その案件が幸いにも受注できたため、メンバーも私に一目置くようになりました。
こうしてやっと会社の一員として、スタートラインに立つことができました。
その後、この受注案件の開発が遅延し、大変苦労するというオチがありましたが、それはまたの機会にでも。
また、大手企業と中小企業では福利厚生がまったく違いました。
例えば、大手企業では社員教育が毎年行われていたり、資格取得時にお祝い金が出たり、出張の日当・宿泊費が高かったりしましたが、中小企業では教育も資格取得も自己啓発のみ、出張も実費精算といった具合でした。
もちろん中小企業でも福利厚生が充実しているところもあると思いますが、やはり大手との差は歴然としています。
その点は覚悟しておく必要があると思います。
転職していきなり責任者になると負担が大きいです。
転職の振り返り
転職活動をはじめてから内定をもらうまで6カ月かかりました。
今でこそ、UターンフェアとかUターン希望者向けイベントがあったり、地元の求人も簡単にネットで調べることができますが、当時はそういった環境がありませんでしたので、かなり苦戦しました。
大手転職サイトでも地方の求人、それも特定の職種となるとかなり数が少ないので、ハローワークの求人もチェックするとよいと思います。
また、転職エージェントを活用し、アドバイスを受けるのもよいと思います。
私は地方に住んでいたので、エージェントと会うこと自体が難しいと考え、利用しませんでしたが、今ならWeb面談も可能なので、とても有効だと思います。
それと、30代ではすでに結婚している場合もあります。私もそうでしたが、その場合、家族に理解してもらう必要があります。
家族の了承を得られなければ、話が先に進みませんので、了承を得てから転職活動をはじめるのがよいと思います。
また、企業のWebサイトやパンフレットなどで企業研究をしておくのも大切だと思います。
Webサイトには企業理念や社長メッセージも掲載されているので、自分の価値観と合いそうか調べておけば、入社後に「こんな会社だと思わなかった」「こんな社風だと思っていなかった」といったミスマッチも少ないかと思います。
Uターン転職は苦戦を覚悟して取り組みましょう。
転職体験談まとめ:転職活動中の方へのアドバイス
今回の記事では、私が大手IT企業から地元のIT企業へUターン転職した際の話を書きました。
内定をもらうまでに苦労や試行錯誤をしましたので、その際の経験をアドバイスとしてまとめさせていただきます。
みなさんの転職活動のお役に立てると幸いです。
地元の企業文化や労働環境をリサーチする
大手企業と地元企業では、働き方や企業文化が大きく異なることがあります。
地元の労働市場や企業風土をしっかりリサーチし、自分に合いそうか確認しましょう。
地元企業に求められるスキルを確認する
大手企業で培ったスキルがそのまま通用するとは限りません。
地元企業が求めるスキルや資格を調べ、足りない部分は補っておくことが大切です。
生活コストや収入の変化を考慮する
Uターン転職後は、給与や生活費の変化を念頭に置きましょう。
都市部と地方では、物価や給与水準が異なるため、事前にライフスタイルの調整が必要です。
家族の理解とサポートを得る
特に家族がいる場合、転職や引っ越しに伴う家族のサポートは不可欠です。
事前に家族と十分な話し合いを行い、Uターン転職への理解を得ましょう。
Uターン転職の目的を明確にする
「なぜUターン転職をするのか」という目的をはっきりさせましょう。
家族との生活、地元への貢献、ワークライフバランスなど、転職後のビジョンが明確であるほど、転職活動もスムーズに進みます。
企業の成長性や将来性を確認する
地方企業では、経済状況や市場の影響を受けやすい企業もあります。
企業の成長性や将来性を調査し、安定した環境で働けるかを確認しておくことが大切です。
専門性を高める
IT業界では特に専門性が求められます。IT企業であれば、転職希望者が持っている資格である程度、その人のレベルが分かります。
最低限、国家資格である「基本情報技術者」や「応用情報技術者」は持っておきたいところです。
その上の「ネットワークスペシャリスト」「データベーススペシャリスト」「プロジェクトマネージャ」など高度資格を持っていると、強力な武器になると思います。
転職エージェントを活用する
Uターン転職は情報が限られるため、地元に詳しい転職エージェントのサポートを受けると有利です。
求人情報だけでなく、現地の事情や会社の内情も知ることができます。
地元のネットワークを活用する
地元に戻るメリットの一つは、人脈や地域のネットワークが使えることです。
友人や知人を通じて求人情報を得たり、面接の際に紹介してもらうことができる場合もあります。
退職のタイミングを慎重に決める
退職のタイミングは重要です。
現職のプロジェクトの区切りや転職先の入社時期を考慮し、円満に退職できるよう計画を立てましょう。
メンタル面の準備を忘れずに
大きな環境変化に伴い、不安やストレスが生じることもあります。
新しい職場や生活に順応するために、メンタル面の準備もしておきましょう。
リフレッシュできる方法を持っておくと良いです。
これらのアドバイスを参考に、Uターン転職を計画的に進めることで、よりスムーズに新しいキャリアを築けるはずです!