こんにちは。転職経験4回のしゅうです。
「40代で中小IT企業からITベンチャーへ転職するのって、実際どうなのだろう?」と疑問に思っていませんか?
安定した環境から、よりチャレンジングなベンチャー企業への転職を考える40代の方は増えています。
しかし、環境が大きく変わるため、不安や戸惑いもつきものです。
私自身、実際にベンチャー企業へ転職し、その中で多くの壁や挫折を経験しました。
この記事では、40代で中小IT企業からITベンチャーへ転職した体験談を中心に、実際に直面した困難や学びをお伝えします。
これを読めば、あなたの転職活動に役立つヒントがきっと見つかるはずです。
ぜひ最後まで読んで、あなたの転職に役立ててください。
目次
転職前のキャリア
当時私は42歳で地方の中小IT企業に勤務していました。
30代でUターン転職し、早くも10年が経とうとしていました。
仕事内容は、企業や自治体向けシステム開発やネットワーク構築を管理するプロジェクトマネージャでした。
メンバーが潤沢にいるわけではなかったので、プロジェクト管理のほか、新サービスの企画、顧客への提案、見積作成、システム導入後の運用サポートなど幅広く行ってきました。
また、チームの責任者もしていたので、メンバーの育成やメンバーから上がってくる諸々のクレーム対応なども行っていました。
このように仕事は多岐に渡りハードでしたが、その分、やりがいや面白みも感じていましたし、仕事に誇りを持っていました。
ただし、仕事量が多く、帰宅が遅くなることが常でしたし、土日など休日に起こるシステムトラブルの第一報も私の携帯にかかってくるようになっていました。
そのため急遽出勤して対応することも多かったので、家族サービスはほとんどできていませんでした。
Uターン転職して10年、仕事漬けの日々でした。
転職を考え始めたきっかけ
私が転職を意識したきっかけは、社長が交代した後、経営スタイルが大きく変わり、組織が腐ってきたと感じたためです。
具体的には、理不尽な人事異動が行われたり、短期的な利益追求のため、新サービスの開発はすべて中止、既存のサービスのみを営業することになったりしました。
私が入社した当時の社長は、長くトップに君臨し、この会社を大きく成長させることに貢献された方でした。
その社長が突然解任となり、親会社から社長が天下ってきました。親会社から来た社長は短期間で去り、その後さらに、親会社とは別の株主企業から社長が天下ってきました。
新たな社長は異業種から天下ってきたこともあり、IT業界のことは全く分からないような方でした。
そして、私が尊敬する上司を左遷、自分の取り巻きを部署のトップに据えました。
さらに私が所属していた企画・開発部門は廃止され、私は営業部門に異動となり、営業担当のサポートをすることになりました。
新サービス開発にはコストがかかりますが、それは将来への投資であり、開発をやめれば将来が先細っていくのが目に見えていました。
「この会社に未来はない」と感じ、転職を強く考えるようになりました。
社長交代で別の会社のようになり、「この会社に未来はない」と感じ、転職を決意しました。
転職活動中に感じた壁と突破口
私は40歳を超えていましたので、これが最後の転職活動になるのかな、と考えていました。
実際にはその後、何度か転職をすることになりますが・・その体験は別記事で書こうと思います。
私は地方に妻と子供たちと住んでいましたし、マイホームも購入していましたので、転職候補は今住んでいる市、またはその近隣と考えました。
仕事は自分の経験が活かせるIT業界で、プロジェクトマネージャを続けたいと思っていました。
そこでまずは転職サイトに登録を行いました。1回目の転職活動の時に使用していた「リクナビNEXT」に加え、「マイナビ転職」にも登録しました。
しかし、地方でのプロジェクトマネージャの求人は非常に少ないのが現状です。今ならフルリモートでプロジェクトマネージャ、といった求人もありますが、当時はありませんでした。
ハローワークのインターネット求人検索も活用しましたが、ピンとくる求人は見つかりませんでした。
そんな時、1通のスカウトメールが届きました。地元の中堅IT企業が私の職務履歴に関心を持ち、面接したいとのことでした。
その企業は私も知っている企業でした。オファー条件もよく、さらに企業情報を調べ、魅力的と感じたため、転職エージェントに転職の意向があると伝え、履歴書を送りました。
期待して返事を待っていたところ、・・・
私が今働いている会社も地元企業、オファーをくれた会社も地元企業ということで、繋がりがあったらしく、引き抜きになってしまうため、この話は見送りたいと転職エージェント経由で連絡がありました。
地方で同業への転職の難しさを痛感しました。
次の一手をどうしようかと考えていたところ、地元のITベンチャー企業に転職していた元同僚のことを思い出し、彼に近況報告を兼ねて連絡を取ってみました。
すると彼から、「社長がプロジェクト管理を任せられる人を探しているから、話をしてみようか」と思いがけない話がありました。
転職活動は急展開し、アッという間に社長と面接することになりました。
地方では希望職種の求人が少ないことを実感しました。
内定までの道のり
転職活動をしていることは妻にも話していましたが、転職先候補がITベンチャーと伝えると、少し不安そうにしていました。
確かに今働いている中小企業は社員数200人以上、創業40年を超える安定企業であるのに対し、ITベンチャーは社員数10人程度、創業数年の若い企業で、妻が不安に思うのも仕方ありません。
しかし、会社の現状や私の思いを妻とよく話していたので、最終的には妻も理解をしてくれました。
ITベンチャーの情報収集は主にWebサイトと元同僚から行いました。Webサイトには企業ブログも公開されており、職場の雰囲気もつかめました。
そして迎えた面接当日。創業者である社長からは、自分がメインプログラマーとして開発を行っているため、プロジェクト管理ができておらず、そこをカバーしてほしいと話がありました。
私も自分の強みであるプロジェクト管理で貢献したいと考えていたため、利害は一致しました。
残すは給与交渉です。給与については、年俸制をとっているとのことでした。私の今の給与を聞かれ、その後、その給与より若干低い金額を提示されました。
私は大幅な給与ダウンを考えていましたので、許容範囲内であることに安心しました。
社長から入社の可否については、家族とも相談し、数日のうちに連絡してくださいと言われました。
面接後、妻に給与や待遇面について説明し、了承が得られたため、社長に入社したいと伝えました。
こうして40代での中小IT企業からITベンチャーへの転職活動は6カ月で終了しました。
思いがけずITベンチャーとご縁をいただきました。
転職後に待ち受けていた状況
転職したITベンチャーは、開発グループ、マーケティンググループ、管理グループがあり、私は開発グループの責任者になりました。
ITベンチャーに転職して一番に感じたのは前職との業務スタイルの違いでした。具体的には、次のような違いがありました。
- スーツでの勤務から私服での勤務へ
- 使用するパソコンはマイクロソフトのWindowsからAppleのMacへ
- メンバーや関係先への連絡手段は電話やe-mailから、メッセージングアプリのSlackへ
- 営業活動は営業担当者によるマンパワーから自社サービスのWebサイトへ(営業担当者ゼロ)
- システム開発手法はウォーターフォール型(上から下に各工程を後戻りしない前提で進めていく手法)からアジャイル(機能単位で小さくすばやく開発を繰り返していく手法)へ
- プロジェクト管理ツールはExcelからWebベースのクラウドツールへ
- 協業先は地元のIT企業から海外のベンチャーへ
このように何もかもが大きく変わりました。
ただ、前の職場でも一緒に働いていた同僚が在籍していたので、その同僚に色々とサポートしてもらい、3カ月程度でなんとか慣れることができました。
また、技術者コミュニティに参加して他のIT技術者と交流することも多くなりました。コミュニティで実践的な知識やトレンドを学ぶこともできますし、新たな人脈を築くこともできました。
最初は変化についていくのがやっとという状況でした。
転職の振り返り
2回目の転職活動をはじめてから内定をもらうまで6カ月かかりました。
地方ではIT企業の絶対数が少ないので、求人も少ないのが現実です。
それでも20代や30代であれば、プログラマーやシステムエンジニアの求人はいくつかあります。ただ40代となると求人はグッと減ってきます。
大手転職サイトだけでなく、ハローワークの求人もチェックするとよいと思います。
また、地元に住んでいる強みを活かし、友人や知人にあたってみるのもいいと思います。私も元同僚に連絡を取ったことで、ITベンチャーへの転職の道が開けました。
ITベンチャーは若い人が多いので、逆に経験豊かな40代をマネジメント職を求めていたりします。ただし、今いる会社とベンチャーでは企業風土が大きく違うことも考えられるので、自分に合いそうか十分に情報収集することが大切です。
もしIT業界で求人が見つからなければ、異業種への転職も視野に入れてはどうでしょうか。DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進はどの産業でも求められていますので、ITに詳しい人を求めている企業は多くあると思います。
今いる業界にこだわらずに企業探しをするのも一つの手です。
転職体験談まとめ:転職活動中の方へのアドバイス
今回の記事では、私が中小IT企業からITベンチャーへ転職した際の話を書きました。
40代でITベンチャーへ転職する際は、環境の変化やキャリアの再構築が大きな課題となりますが、成功するためのポイントを押さえれば有利に進められます。
以下に10個の具体的なアドバイスを挙げます。
みなさんの転職活動のお役に立てると幸いです。
ベンチャー企業の文化に適応できるかを見極める
ITベンチャーはスピード感があり、常に変化する環境です。
40代であっても、変化に対応できる柔軟な思考が求められます。
フラットな組織や若いチームに馴染めるか、自分の価値観と企業文化が一致しているかをしっかりリサーチしましょう。
事前に面接やインタビューで働き方や雰囲気を確認することも重要です。
カルチャーフィットが良ければ、転職後のストレスが軽減され、活躍の場も広がります。
最新の技術やトレンドにキャッチアップする
IT業界では技術の進化が早いため、40代でも新しい技術やトレンドにキャッチアップする姿勢が求められます。
オンライン学習やセミナーで学び続け、特にクラウド技術やAI関連の知識を磨いておくと、ベンチャー企業での評価も高まるでしょう。
さらに、技術者コミュニティに参加して他の開発者と交流することで、実践的な知識やトレンドを学ぶことができます。
日々の学習を習慣化し、IT業界の変化に柔軟に対応できるよう準備しましょう。
マネジメントスキルを強みとして活かす
40代の強みであるマネジメントスキルは、ベンチャー企業でも貴重です。
若い社員が多い環境では、プロジェクトをリードしたり、組織運営の経験を活かしてリーダーシップを発揮する場面が多くあります。
また、若手社員のメンターとして育成に貢献することも可能です。
これまでの経験を具体的に示し、チームを成長させる役割を担えることをアピールすれば、ベンチャーでも価値ある存在となるでしょう。
柔軟な働き方やタスク管理に対応できる準備をする
ベンチャー企業では一人で複数の役割を担うことが一般的です。
柔軟に働きながらタスク管理を行い、効率よく仕事を進めることが求められます。
タスク管理ツールを活用し、複数の業務を円滑に進めるスキルを磨きましょう。
リモートワークやフレックス勤務が導入されている企業も多いので、自己管理能力が重要です。
自分自身で仕事を計画的に進め、成果を出す姿勢が必要となります。
経済的なリスクを事前に考慮する
ベンチャー企業は成長過程にあり、安定性が低い場合もあります。
40代での転職では、私もそうですが、家族がいることも多いため、給与や福利厚生の不安定さに備える必要があります。
事前に収入が減る可能性を考慮し、貯蓄や生活費を調整する準備が大切です。
また、ストックオプションなどベンチャー特有の報酬体系も、リスクを伴います。
給与や報酬体系を慎重に検討し、経済的なリスクに備えておくことが、安心して働くための鍵となります。
自己成長に対する強い意欲を持つ
ITベンチャーでは、自ら成長し続ける姿勢が非常に重視されます。
自己研鑽を続け、未経験分野にも積極的に挑戦する意欲を持つことで、ベンチャーでの成功が見込めます。
さらに、社内でのフィードバックを受け入れ、改善していく柔軟な姿勢も重要です。
成長意欲を持ち、学び続けることで、新たなスキルを身に付けキャリアを積むことができます。
若いチームに溶け込むためのコミュニケーションスキルを磨く
ベンチャー企業では若い社員が多く、世代間のギャップを感じることもありますが、オープンなコミュニケーションを心がけることで溶け込みやすくなります。
若手社員の意見を尊重し、協力する姿勢が信頼を築く鍵です。
さらに、オンラインツールを活用した効率的なコミュニケーションも重要です。
SlackやTeamsなどのツールを使いこなし、リモートワークでもスムーズに連絡を取り合えるスキルを身に付けましょう。
転職先の将来性やビジョンを慎重に見極める
ITベンチャー企業は成長が期待される一方で、不安定な要素も多いため、将来性やビジョンをしっかり見極めることが大切です。
企業の成長戦略や財務状況、事業計画を確認し、自分のキャリアと合致しているかを判断しましょう。
さらに、企業のミッションやビジョンが自分の価値観と一致しているかも重要です。
ベンチャーでの長期的な成功には、自分の目標と企業の方向性が一致していることが必要です。
ベンチャー特有のチャレンジ精神に備える
ベンチャー企業では、挑戦する精神が求められます。
未知の分野や新しいプロジェクトに積極的に取り組む姿勢を見せることが、40代でも評価されるポイントです。
失敗しても学びに変える前向きなマインドセットを持つことで、新たなチャンスが広がります。
リスクを恐れず、チャレンジを続けることが成功の鍵となるでしょう。
転職エージェントや人脈を活用して情報を得る
40代の転職は、転職エージェントや人脈を活用することで、よりスムーズに進められます。
エージェントを通じて、企業の内情や採用方針を把握し、ミスマッチを避けることができます。
さらに、友人や業界の人脈を活用することで、信頼できる情報を得ることが可能です。
紹介による転職は、企業からの信頼も高まりやすい傾向があります。
これらのアドバイスを実践することで、40代でのITベンチャー転職でも、スムーズに進められる可能性が高まります!
なお、今回の記事は2回目の転職のものですが、初めて転職した際の記事は以下のとおりです。よかったら参考にしてください。
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【体験談】大手IT企業から地元IT企業へのUターン転職で苦労した話
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