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社内SE転職の志望動機はどう書く?SIer経験者・採用側の視点から解説

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社内SE転職の志望動機を考えるITエンジニアと採用面接のイメージ

社内SEへの転職を考えたとき、職務経歴書と並んで悩みやすいのが「志望動機」です。

「なぜ社内SEなのか」「なぜこの会社なのか」をどう書けばよいのか。特にSIerから社内SEへの転職を考えている方は、迷うことも多いのではないでしょうか。

私はこれまで、メーカーの社内SE、SIer、ITベンチャーなどを経験し、現在は事業者側の情シス責任者として働いています。採用時には、応募者の履歴書や職務経歴書を見る立場でもあります。

採用側として志望動機を見るとき、単に「社内SEになりたい」という気持ちだけではなく、「なぜこの会社を選んだのか」「これまでの経験を入社後にどう活かせそうか」が伝わるかを確認します。

この記事では、SIer経験を社内SEの志望動機につなげる考え方や、40代で意識したいポイント、志望動機の例文まで、採用側の視点を交えながら解説します。

社内SEの志望動機で採用側が見ていること

応募書類とチェックリストを確認する社内SE採用側のデスク

「なぜこの会社なのか」が伝わるか

採用側として私が志望動機を読むとき、最初に確認するのは「なぜ当社に応募したのか」です。

「社内SEとして働きたい」「これまでのIT経験を活かしたい」という内容だけでは、別の会社にもそのまま使える志望動機になってしまいます。

一方で、「これまで○○の経験があり、その経験を御社の○○で活かせると考えた」と書かれていると、求人内容を確認したうえで応募していることが伝わります。

企業理念や事業への共感を書くこと自体が悪いわけではありません。地域に根差した企業であれば、「地域に貢献している点に魅力を感じた」という志望理由も自然です。

ただし、共感だけで終わらず、自分の経験と入社後の仕事を結び付けることが大切です。

自社で活かせる経験があるか

採用側は応募者の経験を読みながら、「入社したら何を任せられそうか」を考えます。

例えば、インフラエンジニアとしてベンダーや利用部門と調整しながらネットワークの導入・更新を行った経験が書かれていれば、社内SEとしてインフラ更改を任せられる姿をイメージしやすくなります。

システム導入、障害対応、ユーザー対応、ベンダー調整なども同様です。

経験の名称を並べるだけでなく、「その経験を応募先でどう活かせるのか」まで伝えることが重要です。

志望動機だけでなく、職務経歴書でも「何を任せられそうか」が伝わることが重要です。社内SE向けの職務経歴書の書き方については、こちらの記事で詳しく解説しています。

関連記事:社内SE転職の職務経歴書の書き方|情シス採用側が見るポイントを解説

40代は即戦力を意識されやすい

少なくとも私が採用側として見る場合、20代・30代であれば、採用後にOJTで育成していくことも考えます。

一方、40代の応募者には、これまでの経験を活かして比較的早く現場で力を発揮してもらえることを期待します。

そのため40代では、「IT業界で長く働いてきた」というだけでなく、「何ならすぐに任せてもらえるのか」が分かる志望動機にした方が伝わりやすいでしょう。

志望動機を書く前に整理したい3つのこと

志望動機を書く前に3つのポイントを整理するノート

なぜ転職したいのか

志望動機を書く前に、まず現在の仕事から転職したい理由を整理します。

SIerで働いている方であれば、「顧客常駐を続けるより自社側で働きたい」「一つの会社で腰を据えて働きたい」「利用者と長く関わりたい」と考えているかもしれません。

ただし、「客先常駐が嫌だから」「残業が多いから」など、不満だけを志望動機にすると、採用側は「入社してもまた別の不満を持つのではないか」と感じる可能性があります。

例えば、「一つの組織で腰を据えて働き、現場と一緒に課題を解決していきたい」と言い換えれば、同じ転職理由でも前向きに伝わります。

なぜ社内SEなのか

次に、「なぜSIerではなく社内SEなのか」を整理します。

私自身、SIer側でシステムを導入する立場と、現在の情シス側の両方を経験しています。

社内SEになって感じるのは、利用者との距離が近いため、現場が本音を話してくれることです。実際の業務や困っていることも、SIer側にいたときより深く分かるようになりました。

「システムを導入して終わりではなく、利用者に近い立場で運用や改善まで継続して関わりたい」という考えは、SIer経験者が社内SEを目指す自然な志望理由になると思います。

なぜその会社なのか

最後に、「なぜ社内SEなのか」だけでなく、「なぜその会社なのか」を考えます。

求人票にネットワーク更改が書かれているなら、自分のネットワーク構築経験。システム導入が多い企業なら、システム導入やPM経験といったように、応募先が求めている仕事と自分の経験を結び付けます。

企業規模や事業内容まで確認したうえで、「自分の経験がこの会社でどう活かせるか」を考えると、志望動機の具体性が高まります。

SIer経験を社内SEの志望動機につなげる

SIerでのシステム導入経験を社内SEの仕事につなげるイメージ

利用者との調整経験を強みにする

SIer経験者が社内SEを目指す場合、技術力だけでなく、利用者との調整経験も大きな強みになります。

例えば、システム更新は業務時間内に自由にできるとは限りません。利用部門と作業日を調整し、影響範囲を確認し、職員やユーザーに周知したうえで実施することもあります。

こうした経験は、社内SEでもそのまま活かせます。

「システム更新を担当した」だけで終わらせず、「利用部門と作業日程を調整し、影響を説明したうえで更新を実施した」と伝えると、実際にどのような仕事をしてきたのかが分かります。

障害対応・要件整理の経験を活かす

社内SEは、現場から寄せられる問い合わせや障害に対応する機会が多い仕事です。

SIer時代に障害を切り分けた経験や、利用者から要望を聞いて要件を整理した経験は、社内SEでも役立ちます。

特に重要なのは、現場から聞いた内容をそのままシステムに反映するのではなく、「何に困っているのか」をくみ取り、解決につなげる力です。

私自身も、今の知識を持って以前の志望動機を書き直すなら、「現場が抱えている問題をくみ取り、ITを使って解決していきたい」という点をより強く伝えると思います。

ベンダー側の経験を自社側で活かす

SIer出身者は、ベンダー側の考え方やプロジェクトの進め方を知っています。

社内SEになると、今度は発注側としてベンダーと調整する場面が増えます。要件整理、見積内容の確認、作業日程の調整、障害時のエスカレーションなど、SIer経験が役立つ場面は少なくありません。

「ベンダーで働いてきた経験を、今度は利用者側の立場で活かしたい」という方向は、志望動機にもつなげやすいでしょう。

SIerと社内SEでは、同じIT業務でも立場や求められる役割が異なります。両方を経験した立場から、その違いはこちらの記事で紹介しています。

関連記事:社内SEとSIerの違い|両方を経験した現役情シス責任者が仕事内容・働き方を解説

採用側に伝わる志望動機の組み立て方

志望理由から経験と貢献へつなげる3段階の組み立てイメージ

①社内SEを希望する理由

まず、社内SEを希望する理由を簡潔に書きます。

例えば、「利用者に近い立場で、システム導入後の運用や改善まで継続して関わりたい」とすれば、なぜ社内SEを希望するのかが伝わります。

ここでは、給与や勤務条件だけを前面に出さない方がよいでしょう。

②これまでの経験

次に、自分の経験のうち、応募先で活かせそうなものを示します。

要件定義、システム導入、ネットワーク構築、障害対応、ヘルプデスク、ベンダー調整、プロジェクトリーダーなど、経験してきたことをすべて書く必要はありません。

求人票を確認し、応募先との関連が強い経験を2~3個程度に絞った方が、何を強みにしている人なのかが伝わりやすくなります。

③応募先でどう活かすか

最後に、「入社後にどのような形で貢献したいか」を書きます。

志望動機は「この会社に入りたい」で終わらせず、「これまでの経験をこの会社の仕事で活かしたい」まで書くことが大切です。

「自分自身もさらに成長したい」と書く場合も、まず会社にどう貢献できるかを示したうえで加えると自然だと思います。

避けたい志望動機の書き方

修正点が多く内容が伝わりにくい志望動機の書類

どの会社にも使える内容

「御社の理念に共感しました」「IT経験を活かしたいです」だけでは、なぜその会社を選んだのかが分かりません。

企業理念への共感を書くのであれば、事業内容や地域での役割など、具体的にどこに魅力を感じたのかを書き、そのうえで自分の経験とつなげる方がよいでしょう。

前職への不満だけを書く

給与、残業、顧客常駐、人間関係などが転職のきっかけになることはあります。

しかし、それだけを志望動機にすると、「入社後も同じような不満を持つのではないか」と受け取られる可能性があります。

「顧客常駐をやめたい」を「一つの会社で腰を据え、利用者と継続的に関わりながら改善したい」に置き換えるように、不満を「これからやりたい仕事」に変換することがポイントです。

資格や肩書きだけをアピールする

資格はプラス材料になりますが、「○○資格を取得予定です」というだけでは、採用側としては強いアピールには感じにくいです。

また、「主任」「課長」「部長」といった役職名も、企業規模によって役割が異なります。

「○○の業務で責任者を務めた」「プロジェクトリーダーとして現場とベンダーを調整した」のように、肩書きそのものより、実際に何をしたのかを伝えた方が経験をイメージしやすくなります。

40代の志望動機で意識したいこと

応募書類を確認しながら志望動機を考える40代のIT経験者

経験の長さを「できること」に変える

40代で長いIT経験がある場合、その経験年数自体は一つの強みになります。

ただし、「IT業界で20年働いてきました」だけでは、採用側は何を任せられるのかまで判断できません。

システム導入、インフラ構築、問い合わせ対応、PMなど、長く経験してきた分野と、そこで身についた応用力を具体的に示すことが重要です。

40代から社内SEを目指す際に活かしやすい経験やスキルについては、こちらの記事でも詳しく紹介しています。

関連記事:40代から社内SEへ転職できる?実際に40代で病院SEへ転職した私が経験・スキルを解説

現場でも動けることを伝える

40代では管理職やPM経験をアピールしたくなりますが、少人数の情シスでは管理だけを行うとは限りません。

自分で問い合わせに対応したり、障害を切り分けたり、ベンダーと直接調整したりすることもあります。

「管理経験に加えて、必要であれば現場対応もできる」と伝われば、プレイングマネジャーを求める職場では安心材料になるでしょう。

転職回数などは必要に応じて説明する

転職回数が多い場合は、理由が分からないこと自体が採用側の不安材料になる場合があります。

Uターン、会社都合、キャリア変更など、説明できる理由があるのであれば、必要に応じて簡潔に触れてもよいと思います。

一方で、異業種の経験があること自体を過度に気にする必要はありません。異業種へ応募する場合は、「現場とコミュニケーションを取りながら業務を理解する」「必要な知識を自分で学ぶ」といった姿勢を示すことが重要です。

応募先に合わせて志望動機を変える

複数の応募先に合わせて志望動機の内容を比較するデスク

求人票から求める役割を読む

志望動機を作る前に、求人票の仕事内容をよく確認します。

ネットワーク更改、システム導入、ヘルプデスク、ベンダー管理など、何を重視している求人なのかを読み取ります。

例えば、ネットワーク更改を予定している企業なら、ネットワーク構築・更新経験や関係部署との調整経験が強みになります。

ヘルプデスクを重視しているのであれば、利用者からの問い合わせ対応や障害切り分けの経験を前に出した方が、応募先との接点が分かりやすくなります。

社内SEは企業によって担当範囲や体制が大きく異なります。求人票や面接で確認しておきたいポイントについては、こちらの記事で詳しくまとめています。

関連記事:社内SE転職で後悔しないために求人票・面接で確認したい7つのこと|現役情シス責任者が解説

異業種では「学ぶ姿勢」も伝える

異業種の社内SEへ転職する場合、その業界の知識が十分でないこともあります。

その場合は、分からないことを現場に聞きながら業務を理解する姿勢や、自分で必要な知識を学んでいく姿勢を示すことが大切です。

これまで継続的に資格取得や自己学習をしてきた人であれば、その事実も「新しい分野を自ら学べる人」であることの裏付けになります。

社内SE転職の志望動機の例文

社内SE転職の志望動機をノートに書きながら整理する様子

SIerから社内SEを目指す場合

私はこれまでSIerで、業務システムの要件整理、導入・更新、利用部門との調整、障害対応などを経験してきました。システムを導入するだけでなく、利用者に近い立場で継続的に業務課題を把握し、改善に関わりたいと考え、社内SEを志望しています。

これまで培ったシステム導入経験やベンダーとの調整経験を活かし、貴社のシステム運用・更改を円滑に進めるとともに、現場の声をくみ取りながら業務改善に貢献したいと考えています。

40代で社内SEを目指す場合

私はこれまでIT分野で、システム導入やネットワーク構築、利用者対応、ベンダー調整など幅広い業務を経験してきました。プロジェクトでは、現場からの要望を整理してシステムへ反映するとともに、ベンダーとの調整を行い、納期を意識しながら導入を進めてきました。

これまでの経験を活かし、貴社ではシステム導入・運用だけでなく、現場からの問い合わせ対応や障害時の調整にも自ら関わりたいと考えています。管理や調整だけでなく、実務にも携わるプレイングマネジャーとして貢献するとともに、自分自身もさらに成長していきたいと考え、志望しました。

例文はそのまま使わない

例文は、志望動機の組み立て方をつかむためのものです。

そのまま使ってしまうと、結局はどの会社にも使える文章になってしまいます。

「自分が実際に経験した仕事」「応募先が求めている役割」「その会社を選んだ理由」の3つに置き換えて、自分の言葉で書くことが重要です。

志望動機を考える際は、実際の社内SE求人を見ながら、企業がどのような経験や役割を求めているのか確認してみるのも参考になります。

まとめ|経験と応募先の仕事をつなげよう

経験と応募先の仕事が合致することを表した握手とパズル

社内SEの志望動機では、「なぜ社内SEになりたいのか」だけでは十分ではありません。

採用側が知りたいのは、「なぜこの会社なのか」「これまでの経験を入社後にどう活かせるのか」です。

SIerで経験したシステム導入、要件整理、障害対応、利用者・ベンダーとの調整などは、社内SEでも活かすことができます。

特に40代では、経験年数を並べるだけでなく、「この仕事なら任せられそう」と採用側がイメージできる形に変えて伝えることが大切です。

志望動機は、入社したい気持ちだけを書く文章ではありません。自分の経験と応募先の仕事を結び付ける文章だと考えると、書きやすくなると思います。

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